かぼちゃの馬車騒動 やはり居住用賃貸がベスト

シェアハウスであるかぼちゃの馬車を運営するスマートデイズ
が、賃料の送金停止を発表し大騒ぎになりました。

この騒ぎから思うことは、結局のところ一般の住居賃貸に
投資家はまず専念すべきなのではないかということです。

スマートデイズ事件の根幹

スマートデイズの収益構造や銀行との癒着などは様々な記事
がありますので、割愛します。

しかし、このスマートデイズがサブリースの保証賃料支払を停止した
ことが、なぜオーナーの破産に直結してしまうのでしょうか?

本来、サブリーズが停止されたとしても、すぐにその契約を解約し、
管理会社を変更すれば一時的には大変かもしれませんが、破産する
ようなことはないはずです。

では、なぜ今回はこのような大問題となるのか。

それは、以下の点ではないかと思います。

  1. シャアハウス賃貸であったから
  2. 家賃水準、立地、物件価格の検討がおろそかであった
  3. スルガ銀行を利用したスキームであった

1.シェアハウス賃貸がなぜ問題になる?

シャアハウス物件は、賃貸募集が特殊です。
普通に駅前の賃貸仲介業者にお願いすれば良いというものでもありません。

結果、今の業者が倒産してしまうと、自分でどう賃貸付けをすればよいのか
分からなくなってしまうのです。

このため、サブリースをしている業者が倒産でもすれば、どうすればよいのか
分からなくなってしまいます。
正直、私もシェアハウスの募集と管理をどうするのかわかりません。

結果、今の業者が倒産すれば、自分も連鎖倒産するリスクを抱えてしまうのです。
自分の命運をサブリースしてくれる業者に一任する事になります。

これは、フルレバレッジのFXをしているのと大差ないリスクを抱えている
のと同じではないかと個人的には感じてしまいます。

また、募集と管理のできる業者が少ないことから、競争原理が働かず、業者を変更
する場合にもボッタクられてしまう可能性が高いです。
(実際、今回はそのような現象が起きているようですね)

2.家賃水準、立地、資産価値の検討が不可欠

シェアハウスとして運用されている物件を見ていると、
「本当に運営できるのか?」と疑問に思う物件も少なくありません。
概ね7㎡程度の部屋なのですが、それに対し家賃が5~7万円します。

これだけの家賃を出すなら、都内でも普通の1Rや1Kに十分入居可能です。
シェアハウスに高い家賃を払って積極的に入居したい人を想定できないので、
果たしてこの家賃で埋まるのか?という疑問は当然でしょう。
(たとえリビングがないという問題点に気づかなかったとしても)

また、立地を見ると、30坪の旗竿地に2階建ての木造物件を建てて、
1億5千万円などの値段で売られていたようです。

いくら地価の高い都内といっても、この価格はどう考えても高すぎます。
いったいいくら建築業者が中抜きしたのか…

3.高金利なスルガ銀行を利用したスキームであった

このシェアハウススキームは、高金利で有名なスルガ銀の融資を前提と
していました。

この銀行を利用する場合、金利が4.5%や3.3%になることが多いです。
この場合、計算すれば分かるのですが、当初の十年程度は元金がなかなか
減りません。

金利ばかり払って元金が減らないので、高値づかみした物件をなかなか
売却できないのです。

また、月々の返済負担が重たく、ある程度家賃が減少すると持ち出しに
なってしまうリスクが高まります。

また、この銀行は給与収入を担保にして、融資金額をかなり膨張させます。
このため、他の銀行が融資可能である金額をはるかに超えた金額である
ことが多いのです。

これは結局、借り換えが難しいことと、出口が大変取りづらいことを
意味しています。
なにせ他の銀行ではとても融資できない残債がある上に、次の買い手
に融資がつかないからです。

まずは一般の住居賃貸で足腰を固めるべき

不動産投資が主にアパート経営を指すことは、大いに意味のあることです。
つまり、アパート経営は誰でもできるのです。

普通の住居であれば、極論すれば自主管理もできます。
賃貸募集のチラシも自分で作れますし、それを持って駅前の賃貸仲介店舗
をまわって挨拶し、お土産とともに募集をお願いすれば良いのです。

たとえ建築業者や管理会社やサブリース業者が倒産しようとも、
オーナーは家賃を受け取り続ける事ができます。

このように、誰でもできるからこそ、業者との連鎖倒産を避けることが
できるのです。

このため、不動産投資を始めた後は、とにかく居住用賃貸で固めるべきです。

まずは普通のマンションで十分すぎる規模に達したあとで、商業ビルや
ホステルやコインランドリーを検討するべきです。

利回りの高さに惹かれ、最初に手をだすべきではありません。
これらは、誰でも運用できないというリスクの高さ故に利回りが高いのだ
という点を忘れてはなりません。

 

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