固定資産税 コインパーキングや敷地外駐車場の取扱は?

マンション・アパートの敷地内駐車場には、小規模住宅用地の特例が
適用され、固定資産税が大幅に軽減されます。

これは、先日書いたとおりです。(先日の記事はこちら

一方で、敷地外駐車場はどうなるのでしょうか?

コインパーキングにした場合

最近は、物件の収益向上の手段として、敷地内駐車場の一部をコインパーキング
などの形式で貸し出すことも良く行われます。

この場合、若干注意が必要です。駐車場が宅地となる理由をもう一度確認しましょう。

「土地が専用住宅を維持し又はその効用を果たすために使用されている場合は
宅地として取り扱われる」ということです。

時間貸しのコインパーキングは、通常入居者の使用は想定されません。
よって、集合住宅を維持しその効用を果たすためのものではなく、駐車場自体が
独立した効用を果たしています。
このため、コインパーキングにした土地が切り取られ、この部分のみ宅地では
ないということで、小規模住宅用地の特例の対象外になる恐れがあります。

宅地ではなく雑種地となり固定資産税が上がるというのは、
理屈の上では十分考えられることです。

1台や2台程度であれば見逃されるかもしれませんが、大規模に、
かつ長期に行った場合どうなるかはわかりません。

あくまで、入居者で使う人が出るまでのつなぎとするのが一番いいかもしれません。

最近のコインパーキングは、一台分から導入可能で、かつすぐに撤去可能なもの
もあります。

こおような機動性のあるものを、短期間導入するのがベストでしょう。

敷地外駐車場とは?

では、敷地外駐車場はどうなるのでしょうか?

敷地内駐車場と、敷地外駐車場の違いは、ただマンション・アパートに
隣接しているか離れているかの違いです。

駐車場がマンション・アパートのすぐ隣であれば敷地内駐車場ですし、
徒歩数分の場所にあるような、つまり他人の土地を間に挟んでいる
場合は、敷地外駐車場となります。

この敷地外駐車場は、物件から若干離れているかもしれませんが、
普通は物件の入居者が駐車場として使っています。

であれば、物件の住居としての効用を維持するための土地なので、
小規模住居用地の特例が適用できそうですが、どうなのでしょうか?

敷地外駐車場は固定資産税上どうなる?

実は、敷地外駐車場には小規模授業用地の特例が適用できません。

これは、理屈の上からは少々納得し難いことですが、現状の法体系下
では難しいと考えられます。

判例で確認してみましょう。

H28.11.30東京地裁

「住宅用地に該当するには、専用住宅又は併用住宅の「敷地の用に供されている土地」であることを要するところ、「敷地の用に供されている土地」であるかどうかについては、…中略…社会通念に従い、その土地が専用住宅を維持し又はその効用を果たすために使用されている一画地の土地であるかどうかによって判断すべきものと解するのが相当である。」

特例を適用するためには、マンションと駐車場が一画地の土地でなければ
ならないようです。

では一画地の土地とはどういう意味でしょうか?

固定資産評価基準別表第3の2 画地の認定

「一画地は、原則として、一筆の宅地によるものとする。ただし、一筆の宅地又は隣接する二筆以上の宅地について、その形状、利用状況等からかんがみて、これを一体をなしていると認められる部分に区分し、又はこれらを合わせる必要がある場合においては、その一体をなしている部分の宅地ごとに一画地とする」

一画地は原則として一筆の土地のことです。

もし土地が隣接している場合は、二筆以上まとめて一画地とできるというわけです。
隣接していない飛び地は、一画地としようがないというわけですね。残念ですが。

現状の法令解釈上は、飛び地駐車場に小規模住宅用地の特例を適用することは難しそうです。

 

このため、飛び地駐車場を有する物件の固定資産税は、かなりの負担になります。

この点もしっかり認識して、シュミレーションをするようにしましょう。

 

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