不動産の取得時に必要な税金や経費を整理する

不動産を取得すると、様々な出費がでます。

きちんと理解して、事前に備えておきましょう。

部件取得時に必要な税金

(1) 登録免許税

登録免許税は、土地や建物を取得して、所有権移転登記や抵当権設定登記を行った際に
課される税金です。

登録免許税は、所有権移転登記は物件の固定資産税評価額を基準に、抵当権設定登記は
設定される抵当権の金額が基準になります。

税率は以下のようになります。

例えば、固定資産税評価額が土地:1億円、建物:5千万円、借入2億円とすると、
1億円×1.5%+5千万円×2%+2億円×0.4%=3,300,000円になります。

 

(2)  印紙税

不動産投資で必要になる印紙は、主に、売買契約書に貼る印紙と、
金銭消費貸借契約書に貼る印紙です。

売買契約の際は自分で用意したり、不動産会社の営業担当が用意している
こともあります。
金消の印紙は、決済日に銀行口座から引き落とされます。

契約書に印紙を貼り付け、これに割り印を押して納税完了です。

貼り忘れた場合、過怠税として本来の金額の3倍を取られますので、
注意してください。

また、印紙は貼ったが割り印をしなかった場合も、貼った印紙と同額の過怠税を
徴収されますので注意が必要です。

通常の売買契約では、売主と買主で一部づつ契約書を作成しますので、
売主と買主がそれぞれ印紙を用意する必要があります。

一方、契約書を1部だけ作成して原本とし、もう1部はその原本のコピーで
済ませる方法があります。

完全なコピーに印紙は必要ありませんので、原本にのみ印紙を貼ります。
印紙代を売主と買主で折半すれば良いので、印紙代が半額で住むことになります。

ただ、あまり一般的に行われる方法ではなく、提案しても嫌がられることも
結構あります。

 

(3)  不動産取得税

不動産取得税は、不動産を取得した際に収める地方税です。

不動産取得税の計算も、固定資産税評価額により計算します。
税率は3%ですが、土地のみ固定資産税評価額を1/2にします。

上の例ですと、不動産取得税は、
1億円×1/2×3%+5千万円×3%=3,000,000となります。

概ね、取得から3~6ヶ月程度で納付書が送付されてきます。
ただ、都内は早く、取得の翌月に送られてきたりもします。

3ヶ月程度で資金を用意しようとせず、すぐに支払える資金繰りをしましょう。

物件取得時に必要な経費

(1)  固定資産税・都市計画税の清算金

固定資産税は、その物件をその年の1月1日時点で保有していた人が納税義務者になります。

このため、年の途中で売却した場合も、売却した物件の税金を払い続けなければならないのです。

このままでは売主が一方的に損をしますので、これを期間按分し、保有期間分のみの税金を売主と買主でそれぞれ負担することになります。

 

注意が必要なのは、あくまで納税義務者は売主であるという点です。

このため、買主が支払った清算金は税金の支払いではなく、
単に物件価格の上乗せとなります。

従って、固都税の清算金は、売主にとっては売却代金であり、
買主にとっては購入代金なのです。
清算金自体は税金ではないので、注意してください。

 

(2)  司法書士報酬

司法書士に登記をしてもらうための報酬です。

10~20万円程度が相場でしょうか。

 

(3)  仲介手数料

物件の仲介をしてくれた不動産仲介業者に支払う報酬です。

宅建法で以下の上限が決められています。普通は上限で払います。

あくまで上限ですので、割引を受ける場合もあります。

 

(4)  火災保険料、地震保険料

火災保険や地震保険に加入する場合、物件の決済時に支払います。

10年間の前払いが一番割安になります。物件を売却し保険を解約した
場合には、未経過分が返金されますので、可能であれば10年間が一番オトクです。

ただ、ある程度のキャッシュアウトを伴いますので、短期的に資金繰りを良くする
ために5年間契約にする場合もあります。

保険料は、代理店によって結構差が出ます。
多くの保険契約を取っている不動産会社や銀行は保険料の割引幅も大きく、
普通に加入するよりもかなりお得です。
できれば融資を受ける銀行と物件を購入する不動産会社に見積もりを
出してもらうと良いでしょう。

銀行によっては、火災保険や地震保険に質権を設定される場合もあります。
この場合、保険金は銀行に支払われ、借入金の弁済に充てられる事になります。

敷金や経費の精算

その他、物件の購入時には、以下のような収入や出費があります。

(1)  敷金精算

売主が賃借人から受け取っている敷金を受け取ります。

別にもらって儲かったわけではなく、いずれ賃借人に返さないといけない
お金ですが、当座の資金繰りは改善しますので、ありがたいものではありますね。

 

(2)  経費や家賃の精算

家賃は通常1ヶ月分を売主が受け取っていますので、これも日割りで売主と買主で
按分します。

また、一ヶ月分の経費を支払っている場合も、これを日割りで精算することになります。
管理費などがこれに該当します。

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