不動産を相続した場合の相続税務および運用の助言などを致します。
- 多くを失わないために資産を個人から外す
- 相続税の生前対策、不動産の相続は事前の対策が最重要です
- 評価減を最大限に取っていくことにより、相続税額を極力小さくする
私の仕事は、相続税を最小化し資産をできるだけ多く次世代に引き継ぐお手伝いです。
不動産という財産を次世代に引き継ぐためには
先代から不動産を引き継いで来られたような不動産オーナー様は、税金に対して特に嫌悪感を持っていることが多いです。
それもそのはず、相続の過程で多くの財産を手放さざるを得なくなったからです。
相続税を払うために、保有する資産を現金化する、あるいは、現金で払いきれないので、保有する資産で税金を物納する、といった理由で、資産を失ってきたのです。
私のお客様である不動産オーナー様も、かつて都内のある駅から自分の家まで、自分の家の土地から出ずに行けたということをおっしゃる方がいらっしゃいました。
その方も、現在保有する資産は土地が数筆という形になっています。
他の資産は、相続税の納付のため、全て手放したのです。
その方の寂しそうな表情は今でも忘れることができません。
私も不動産オーナーとして、税金のために保有する資産を手放すという痛みは非常によくわかります。
このような経験から、相続税を最小化し、資産をできるだけ多く次世代に引き継ぐお手伝いをさせていただいております。
生前の相続税対策が鍵
実は、相続税の対策は、相続発生後では手遅れです。
相続発生時点の財産をもとに相続税を計算しますから、相続発生後はもう手の打ちようが無いわけです。
また、事前の準備無く相続が発生すると、相続トラブルが発生する可能性が極めて高いです。
相続人に取ってみると、いきなり財産がこれだけあるので、話し合いで分割して下さいという話をされても、驚くでしょうし、できるだけ自分の取り分を多くしようとするのも当然です。
そうならないためにも、事前の対策が必要になります。
相続税対策とは、取りも直さず、生前対策なのです。
資産を個人から外す
相続税は個人で保有する資産に対して課税されるものです。
このため、まず考えるのは、個人から財産を外せないかということですね。
この際には、法人が使用されることが多いです。
例えば、個人で保有する物件を自分の法人に売却するのです。
そうなると、売却以降の家賃は法人が受け取りますから、個人の財産が増えることがありません。これによって、財産の増加を防ぐということになります。
また、生前の贈与による対策も有効です。
贈与をすることによって、所有している財産を次世代に事前に移転させておくのです。
贈与には暦年贈与や相続時精算課税制度、教育資金の一括非課税贈与など様々な制度がありますから、これらを組み合わせての検討になります。
また、贈与税の非課税の範囲内でのみ贈与をされる方もいらっしゃいますが、実は贈与税を払ってでもある程度の財産を贈与しておいたほうが良いケースもあります。
また、生命保険を使用して、生命保険の非課税枠を取っていくという手もあります。
このあたりについては、現状の財産の洗い出し、相続人との関係を含めて検討が必要になります。
資産の評価減を取る
個人で保有せざるを得ない不動産などは、評価減を最大限に取っていくことにより、かかってしまう相続税額を極力小さくすることが可能です。
一時期流行ったワンルームマンションを購入すると言う方法も、否認事例が出ましたので慎重に取り組む必要はありますが、現時点でも有効ではあります。
また、
- 所有する土地に銀行から融資を受けて賃貸物件を建設する
- 時価と相続税評価額に乖離のある物件を取得する
といった様々な方法も存在します。
不動産を保有して、相続財産を圧縮する方法は非常に古典的ではありますが、今なお有効な手段になっています。
このあたりは、やりすぎると否認される事例も散見されるため、最新の判例に通じた専門家に相談する必要があるでしょう。
円満な遺産分割に向けて
相続対策をするということは、どの財産を誰が引き継ぐかを決めることでもあります。
例えば、贈与をするにしても、誰にどのような金額を渡すのか、明確にしておかないと、あとで兄弟姉妹間のトラブルの種になります。
また、相続税圧縮のため、借入をして不動産を購入するとなっても、相続する人が不動産運営の心構えができていないと、相続後に大変なことになります。
不動産を相続して、負動産にしてしまうのは、概ね相続人が事前に不動産を相続する準備をしていないためです。
さらに、相続後に遺産分割協議を行うとなると、やはりトラブルとなりがちです。
不動産オーナーの場合は、未分割賃料の問題も生じますから、遺産分割はますます困難なものになりがちです。
このため、相続税の生前対策の段階で、遺言書を作成される方が多いです。
公正証書遺言となることが多いでしょう。
この点についても、相続税の生前対策の流れの中でご提案をさせていただきます。
相続が必要な不動産をお持ちなら、一度、ご相談ください。