不動産投資において意見が分かれる論点の一つに、投資家自身
がDIYで修繕などを手がけるかということがあります。
コストカットを目的にDIYに積極的に取り組む投資家がいる一方で、
DIYは費用対効果が非常に悪いと敬遠する投資家もいます。
私自身DIYはある程度しますが、少し考えて見ましょう。
私がしているDIY
私もDIYを行っています。
主にする工事としては、以下のようなものでしょうか。
- 玄関のウォールミラーの設置
- キッチンや浴室の水栓交換
- コンセントカバーの交換
- ドアホンが電源直結式でなければ自分で交換
- カッティングシートで扉などをキレイにする
- 照明のLEDへの交換
結構分量としては多いので、半日以上はかかってしまいます。
DIYの費用対効果は確かに良くない
DIYで問題になるのが、その費用対効果と呼ばれる部分です。
つまり、それを修繕業者に外注して済ませたコストと、自分がやった時間に対しての
コスト(時給換算)をしてどちらが安いのかということです。
正直に言うと、大抵の場合で外注の方が安く付きます。
確かに半日以上はかかります。
手こずると、2日程度要する場合もありますね。
私の時間単価をDIYにかけた時間にかけると、はるかに外注したほうが安いです。
この点、費用対効果を考えると、大変悪いと言わざるを得ません。
また、不動産投資の良い点として、ほとんどすべての業務を外注できるという点あります。
管理会社、修繕工事会社、客付仲介会社、税理士などに外注すれば、自分でしなければ
ならないことはほとんどありません。
DIYをすることは、この不動産投資の得難い特徴、大きなメリットを放棄することだ
と考える方もいるようですね。
これは、確かにごもっともとしか言いようがありません。
確かに、全てを外注で済ませられるという点は、不動産投資ならではのメリットです。
しかしながら、私自身DIYをしばらくやめるつもりはありません。
DIYには単純なコスト比較以上に意義があると考えているからです。
自分の物件のことを良く理解できるので、おすすめ
DIYをすると、自分の物件の部屋のことが本当によくわかります。
だいたい、購入して管理会社に任せきりだと、どのような設備が設置されているのか
さえよくわからないものです。
この状態では、入居促進のためにはADを多く出しますなどのお金を使った
販売促進しかできなくなってしまうのです、
しかし、DIYをして、この部分はこうやって直そうなどと考えていると、
部屋の中に何があって、入居者がどのように使うのかまで理解できてきます。
そうなってくると、さらに使い勝手がよく喜ばれるような状態を想像し、
そのために色々なモノを設置したり、見栄えを良くしたりできるのです。
さらに、こうすることによって、近隣の他の物件との違い、どの点に競争優位があって、
どのような点で負けているのかという点も、かなり理解できるようになります。
購入検討する物件のどこをいじれば良くなるのかも分かるようになる
例えば、購入を検討している物件がボロい物件だった場合、それだけで売れ残って
しまいがちです。
裏を返せばそれだけ安く買えるのですが、ボロい物件を直せばまだまだ行けるぞ
という点はどのように判断できるのでしょうか。
これも、過去にDIYを行った経験が生きてきます。
私もできていない領域ですが、共用部階段のペンキ塗りや、トイレの交換、
バランス釜のユニットバスへの交換などをDIYでしている人も知っています。
最初は、そこまでDIYするのは流石にやりすぎでは?と思っていました。
しかし、その後その方が物件を購入して修繕し、回しているのを見て考えを
改めたのです。
ボロい格安のアパートを購入し、外注して適切に直して良い状態に持って
行けるようになっているのです。
つまり、ボロ物件を見て、ここはこうすれば改善できるということをかなり
的確に判断できているのですね。
これは、正直やったことがなければ、なにをどうすれば改善可能かわからないので、
手が出せないでしょう。
このように、ボロい格安物件を購入してきて、うまく修繕して回しているような方は、
過去にガッツリとDIYの経験を積んでいる事が多いです。
たしかに、そのDIYでコストカットしたというだけでは、費用対効果が悪いかもしれません。
しかし、DIYによって、物件のどこをどのように直したら競争力を持ちうるのかという
得難い知識を得ているのです。
これによって、次に購入する物件の選択肢が劇的に広がります。
また、実際に購入したボロ物件に色々と手を加え、人気とは言えないまでも、十分に回せる
状態を作り出すことができるのです。
このような点を考えると、不動産投資家たるもの、一度がDIYにガッツリと取り組む
経験も必要なのではないかと考えているわけです。