不動産投資で青色事業専従者給与が全額否認?
青色事業専従者給与をご存じでしょうか? 個人事業主は、基本的に同居する親族に仕事を手伝ってもらったとしても、給与を払うことができません。 これが原則ですね。 ただ、例外として、青色事業専従者給与というものが用意されています。 これは、同居の親族であっても、一定の条件を満たせば、給与の支給が可能になるというものです。 このため、不動産を個人で保有する方が、同居の配偶者などに青色事業専従者給与を支給することがあります。 ただ、個人的にはこの制度、不動産投資家にとっては正直使いにくいと感じている部分です。 今回 ...
不動産投資の確定申告 何が経費になるのか
確定申告の時期が近づいてきましたね。 不動産投資で個人名義物件を購入すると、確定申告で不動産所得の申告をすることになります。 サラリーパーソンの方は、ここで初めて、経費で節税するという、事業主だけの特権を手にすることになります。 もちろん、実際に使った経費だけを申告する人もいますが、所謂グレーゾーンや、明らかなブラックゾーンに切り込んでいく方もいらっしゃいます。 実は、不動産投資家が行った申告において、ほとんどの経費が否認されてしまった事例があります。 正直、税理士の立場では、よくこの内容で国税不服審判所 ...
賃料減額したら寄付金?オーナーの税金解説
最近、特に商業ビルでの賃料減額が話題になってきました。 テナントに顧客が全くいなかったりする状況ですし、営業自粛が養成されて、売上ゼロというケースもあり、賃料の減額交渉になっているようです。 テナントの大家さんや、レジ物件でも一部テナントの物件の大家さんなどは、実際に交渉が来ている方も多いでしょう。 それでは、この減額交渉に応じた場合に税金がどうなるのか、確認してみましょう。 特に、法人オーナーの場合は寄付金という厄介な問題が生じますので、注意が必要です。 まずは、法人オーナーの場合を確認しましょう。 法 ...
税制改正で消費税還付はどうなる?
令和2年度税制改正大綱が公表されました。 不動産関係で大きな目玉は何といっても次のつでしょう。 居住用物件の消費税還付 海外不動産 今回は、居住用物件の消費税還付がどうなるのか、 確認したいと思います。 いままでの消費税と還付のしくみ そもそも、消費税とはどういう制度なのか、以下の図で見てみましょう。 われわれ消費者からすると、消費税は払うだけのものですが、会社にとっては そうではありません。 消費者から預かった消費税から、仕入時に支払った消費税を差し引いて、 残った金額を国に納めるのです。 この場合、自 ...
スルガ銀行が物納を認める!シェアハウスオーナーの税金はどうなる?
日経新聞にスルガ銀行がシェアハウスオーナーに物納(代物弁済) を認めるという記事がでていましたね。 記事の内容だけだと詳細はわからないのですが、おそらく、 スルガ銀行が保有するシェアハウス貸付金を、サービサーに 代物弁済ありの条件で売却するという感じでしょうか。 スルガに代物弁済するにせよ、サービサーに代物弁済するにせよ、 検討しなければならないのは、物納するオーナーにどのような 税金が発生するかですね。 結論を先取りすると、 代物弁済するシェアハウスの時価で譲渡所得課税(多分納税はゼロ) 代物弁済するシ ...
金の売買で消費税還付 最新の否認事例その1
収益用不動産の購入時に、金地金の売買を行う方法で消費税還付 を受けた方は多いのではないでしょうか。 最近このスキームに関して否認事例がちらほら出てきました。 実は、いままで消費税還付のスキームが否認される事例というのはあまり多くなかった のですが、最近立て続けに否認事例が出ているのは少し気になります。 類似の事例の高裁判決が出て、判例も固まってきたようなので、検討してみましょう。 この場合、消費税還付が否認されたと大騒ぎする方もおられるのですが、 何が否認され、何が否認されなか ...
消費税インボイス制度が不動産投資に与える影響を考える
10月に増税が迫ってきましたね。 一番の目玉である軽減税率が不動産投資家には関係ないので、 単純に支払い増加によるコストアップという感じで捉えている 投資家も多いでしょう。 ただ、個人的には今回の改正で一番大きなことは、インボイス制度 の導入ではないかと考えています。 (ちなみに、税法上は適格請求書保存方式といいます) 軽減税率のどさくさに紛れて、財務省積年の悲願がようやく実現したとも言えます。 これは、消費税という制度の根幹を変えてしまうものです。 不動産投資への影響も避けられないので、早 ...
消費税増税間近!不動産投資の経過措置を整理する。
消費税の増税が間近に迫ってきました。 今年の10月1日から消費税が10%に上昇します。 何回も延期されたこともあり、今回も延期されるのでは? という雰囲気ももうなくなりましたね。 世間的には軽減税率が話題ですが、不動産投資にはあまり関係 がありません。 ここでは、不動産投資にも影響する経過措置について まとめてみましょう。 経過措置とは? 消費税の増税は、平成31年10月1日と定められています。 この10月1日になると、すべての商品が一斉に10%上乗せで売られるように なるのですね。 もちろん、今回は軽減 ...
かぼちゃの馬車のスルガ銀行元本カット、債務免除益への課税はどうなる?
大問題となったかぼちゃの馬車ですが、最近元本のカットも含めて検討されているような報道もなされていますね。 なるほど、債務免除が行われた場合はかなり運営が楽にはなるでしょうが、見逃されている論点があるようです。 それは、債務免除益に対する課税です。 いささか気が早いかもしれませんが、検討してみましょう。 債務免除益とは? 債務を免除されるということはどういうことなのでしょうか。 それは、借り受けている債務の返済をもうしなくて良いということです。借金の棒引きです。 本来支払う義務を負っていたものなのですが、そ ...
不動産投資で組織再編を活用する 合併という選択
不動産投資をしている中で、いくつかの法人を設立することも あると思います。 1法人1物件スキームと呼ばれる方法なら、銀行ごとに法人を作った 人もいるでしょう。かなりグレーな手法ですが。 そうでなくとも、税率を抑えたり、株主構成が違ったりという理由で いくつか法人を作ることも考えられます。 法人をまとめたいというニーズが増えている 最近は、このようにいくつか設立した法人をまとめることができないか というニーズが増えてきているようです。 これはおそらく、融資の拡大フェーズが終わり、法人を育てることの 重要性に ...