今後の不動産投資と消費税② 居住賃貸建物の調整計算
令和2年10月以降、居住用不動産の購入をした場合、消費税については一切還付を受けられなくなりました。 もちろん、それ以前にも通常は還付を受けられなかったのですが、金地金の売買などを行うことによって裏技的に還付を受けることができていました。 これが、居住用賃貸建物は仕入れ税額控除の対象外とする改正ですね。 物件購入時の消費税は全く控除されない、ということではありますが、一定のケースでは一部の控除が可能になる調整計算が認められています。 今回はその調整計算についてみていきましょう。 居住用賃貸建物を購入しても ...
土地建物比率で不動産鑑定評価が認められた事例
不動産を購入した場合に、土地と建物の金額をいくらにするのか、というのは非常に重要な論点ですね。 以下の記事も参考にしてもらえればと思います。 シリーズ:土地建物割合を考える 第1回:不動産の土地建物の金額を考えていますか? 第2回:はじめに売買契約書ありき~土地建物の金額の決め方① 第3回:売買契約書が税務署に否認される?~土地建物の金額の決め方② 第4回:売買契約書に土地建物をまとめて記載した場合~土地建物の金額の決め方③ 通常、不動産投資では土地と建物を同時に購入してくる一括取得になるわけです。 売買 ...
不動産の時価を決算書に書く?賃貸等不動産の時価に関する注記とは
決算書は、購入したものは購入した値段で記録されます。 つまり、市場より安く買ったのか、高く買ったのかの方法は表示されません。 時価は、決算書には現れないのです。 しかし、時価を決算書に記載する方法が一つあります。 賃貸等不動産の時価に関する注記ですね。 今回はその内容と有効性について確認してみましょう。 決算書の悩み 不動産の時価を反映できない 決算書を作成する上で悩ましいことは、時価で記載できないことです。 時価1,000の物件を600で購入できた場合、購入時点から含み益400を持っているのですが、この ...
個人の不動産オーナーは土地利子の特例に要注意
最近は個人で不動産を購入する際に、個人名義の方が融資を出しやすいというような銀行も出てきているので、以前に比べて個人で不動産投資を始める人が増えてきています。 もちろん、法人であっても個人であっても不動産投資を始められるのであれば、それに越したことはありません。 ただ、個人には不動産投資をするにあたって注意する点がいくつかあります。 今回説明する土地利子の特例は、その一つですね。 土地利子の特例とは? 土地利子の特例、と言われたり、土地等の負債利子の損益通算の特例と言われたりもします。 どのような決まりな ...
格安不動産購入で贈与税発生のナゼ?
最近は格安で不動産を購入する話を聞くことが多いですね。 100万円など格安で戸建てを購入してきて、リフォームをして貸し出すと利回りの高い物件となる、というような点が人気のようです。 また、現状不動産投資の融資が非常に渋い状況ですから、投資額が少なくて済むという点でも魅力がありそうです。 極端な例だと、戸建てを1円とか10円とかで購入する、みたいな話もあるようですね。 実は、こういった格安での購入をした場合に、買い手側に贈与税課税のリスクがある点はご存じでしょうか。 売買契約を締結して購入しているのに、贈与 ...
再生物件の減価償却に要注意!
最近、というわけではありませんが、築古物件の再生(リノベーション)に取り組む投資家の方が増えてきているように感じます。 状態のよくない格安の築古物件を購入し、賃貸に出せるレベルまで修繕を行い、高い利回りを実現するという手法ですね。 1棟の全空アパートやマンションを購入して再生しているつわものもいますね。 なかなか面白い手法ですが、税務の観点で一点、要注意事項があります。 それは、再生物件の再生費用の取り扱いと、減価償却期間(耐用年数)ですね。 再生リフォーム費用は経費になるのか? 再生物件は基本的に、買っ ...
役員社宅の使い方と2つの留意点
役員社宅という節税手法を聞いたことはあるでしょうか? 今回は、役員社宅の考え方と、導入にあたっての注意点を解説しようと思います。 役員社宅は導入すると大きな節税効果をもたらしますが、一方でなかなか難しい点もあり、実際導入に至る事例はそれほど多くありません。 1.役員社宅とは? 役員社宅は、読んで字のごとく、会社の役員が住む社宅のことです。 社宅とは、会社が保有する不動産や、会社が借りた不動産を、自社の社員に貸すというものですね。 家賃補助を給与に上乗せする会社もありますが、一般的には社宅の方が好まれるよう ...
不動産投資で耐用年数の短縮は可能か?
不動産投資では、減価償却費の重要性は皆さんご理解されていると思います。 減価償却費はデッドクロスや毎年の税引き後キャッシュフローを決める要素ですから、重要に決まっています。 この減価償却費は、建物取得金額・耐用年数・償却方法の3要素によって決まりますが、不動産投資の場合は償却方法は基本的に固定なので、建物取得金額と耐用年数が重要になります。 そのような中、一度決めた耐用年数を短くできないだろうか?というご質問を受けることがあります。 決算で耐用年数22年を採用したが、これを10年にできないだろうか?という ...
不動産売却益でふるさと納税の上限は増えるか?
ふるさと納税を毎年している方も多いでしょう。 私も毎年限度額までしています。 ふるさと納税には限度額があり、限度額は基本的に所得金額に連動します。 では、個人で保有していた不動産を売却し、譲渡所得が生じた場合には、ふるさと納税の限度額はどのようになるのでしょうか。 結論を最初に言ってしまうと、限度額は増えるが、思ったほど増えるわけではない、ということになります。 譲渡所得の計算方法 まずは、譲渡所得と譲渡所得税・住民税の計算方法を確認しておきましょう。 個人の不動産売却益に対する課税は、「申告分離課税」と ...
今後の不動産投資と消費税① 居住用賃貸建物
昨年令和2年10月以降、不動産投資で消費税還付はできなくなりました。 多くの方はこのことをご存じかと思います。 一方で、昨年10月から適用される改正の内容が今後どのような影響を与えるか、詳細にご存じの方は意外といらっしゃいません。 今回は、令和2年10月以降の消費税大改正により、不動産投資の消費税がどのように変わったのか、しっかりと解説してゆきたいと思います。 消費税還付の封じ込め 今回、消費税還付を封じ込めるために導入された規定は、大きく以下の二つですね。 居住用賃貸建物を購入した場合は仕入税額控除の対 ...